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葬儀と自然葬

お墓や葬儀について、若い頃はあまり考える事がないかもしれません。しかし長く人生を過ごし年齢を重ねていくごとに、ふと、そういった事柄について考える機会が増えていきます。

家族や友人知人に亡くなる人が増えていき、また、自分自身も人生の終わりに着実に近付いている実感を伴うからです。

ところで日本国内の場合は、一般的には、火葬を行ってからお墓に埋葬する事になると思うのですが、いざ執り行う場合、【埋葬場所や供養の方法】は重要な問題となってきます。

古来より、人間は亡くなると土に還る、自然に還るという考えがあります。そして、地球の自然の一部となり生き続けるのだという思想があります。

もし、そのような考えに基づいて弔ってもらう事を希望するのならば、それは、自然葬と言う事になる訳ですが、自然葬のひとつの形態として、樹木葬という埋葬・供養方法があります。

自然葬による樹木葬とは

簡単にご紹介するならば、土地に植樹し、その樹木をお墓に見立てて散骨や埋葬を行う葬儀です。しかし「墓地、埋葬等に関する法律」という法律があるため、自分の好きな山や自宅の庭などに、自由に埋葬を行う訳にはいきません。

家の模型

樹木葬という葬送・埋葬方法を採用している墓地・霊園につき、まだ数はそれほど多くはありませんが、都市部から離れた場所に広大な敷地を持つ山間部(里山)の寺院が行っている場合が一般的かと思います。また都市近郊でも、公園の形式で運営されている場合が見受けられます。

樹木葬について

樹木葬の葬儀の特徴としては、まさに「自然に還る」ことが実現される点がまず挙げられます。

寺院の敷地以内等の里山等に散骨や遺骨埋葬し樹木を植えます。里山といった天然・自然そのものの景観の場合の他、整然とした公園・霊園タイプの墓地もあります。花木を墓標とした墓石の無い共同墓地の形態が一般的です。

故人の名前等や紹介を記した木札や石版等、モニュメントやプレートを設置する場合もあります。個人ごとの区画は定められており、植樹の本数や花木の種類については墓所により異なります。美しい花が咲く苗木が選ばれる場合が多いようです。

里山の自然を保護する、大きな意味では豊かな地球環境を護り次世代へ継承する役割も果せると言えるのではないでしょうか。 また、宗派を問わない墓地が大多数である事もポイントとして挙げられます。

緑の景色

樹木葬にかかる費用については、区画あたりの永代使用料を申し込み時に支払い、年間費(管理料)等がかかってくるのが一般的なシステムです。運営者(寺院等)や立地条件等によって金額は異なってきます。

あくまで私見ですが、新たな墓地に墓石を建立するよりも、格段に安価(数分の1程度)ではないでしょうか。

樹木葬を行っている寺院・霊園は、たとえば岩手、京都、神戸、千葉、山口そして東京の町田ほかの、自然と緑が豊かな地域にあり、現地に居ると、とても穏やかな気持ちになれるようです。

こういった場所で自然葬、樹木葬によって、自然と共生しながら「いつまでも生き続ける」のも、素敵ではないでしょうか。

国内の樹木葬

墓石を建立して供養する慣習が根付いている日本においては、樹木葬の歴史はまだ浅く、1999年に岩手県一関市の寺院にて初めて行われたとされています。

それが話題と共感を呼び、その趣旨に賛同する寺院等が、京都や神戸、関東の東京、千葉をはじめ全国に広がりつつあります。

なお、NPO法人エンディングセンター(東京・大阪)や、NPO法人スノードロップ(関東)など、自然葬をサポートしているnpo法人が幾つかあります。

緑の葉

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