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盆栽

かつて子供の頃に住んでいた実家には、小さくて狭い家屋の割には、そこそこ広い不相応な庭があって、家庭菜園的にネギや芋を栽培したり、あるいは、柿の木や桃の木が植えられたりしました。

また、クリスマスツリーにしていた鉢植えのモミの木が大きく育ったので、庭に植え替えたりしていました。子供の頃は、土いじりをしてよく遊んでいましたね。

周囲には田畑・里山があり、ようするに緑の自然の中で過ごしていました。

そういうこともあってか、大人になった今でも、緑を見ると心が落ち着き和みます。

現在は、コンクリート造りのマンション暮らしですので、当然、土が広がる庭がありません。鉢植えの観葉植物を室内に置いたり、ベランダでプランターで花や香草を育ててみたりする程度です。

幸い、ベランダから周囲の田畑や山々が見えますので、それらを借景にして暮らしています。

そんな生活の中で、ふと気になったのが盆栽です。

枯れ木に生えた緑木

大雑把に簡単に言ってしまえば、鉢に花木を植えて、その枝ぶりや花、葉、幹、そして土に敷いた苔などの様子を愛でる趣味の事かと思いますが、歴史があり奥深いものだと思います。

そこには文化や芸術があります。

現在では、日本文化のシンボルの一つとして捉えられている盆栽は、海外でも「BONSAI」として知られているそうです。カラオケが、「KARAOKE」として認知されているようなものでしょうか。

全世界的にメジャーな存在と言う訳です。

小さなサイズなら気軽にはじめられそうです

盆栽をたしなむとした場合、知識や技術やお金がかかりそうで、なんだか敷居が高いように感じます。手間ヒマもかかりそうですよね。

しかし、盆栽の専門家になってそれを職業にしようとするのならまだしも、自宅で趣味で行う分には、まずは気楽に楽しめば良いのではないかと思います。

ところで盆栽には、大きなものから小さなものまで色々とあります。そして、小さなものの方が、マンション暮らしには適していそうだし、気軽に始める事が出来るのではないかと思いました。

小品盆栽でも特に、10センチ前後の小さな盆栽は、ミニ盆栽や豆盆栽と呼ばれているようです。

ミニ盆栽

豆盆栽…可愛らしいネーミングですよね。

豆盆栽の作り方、育て方について

豆盆栽の作り方ですが、まず鉢については、自由に楽しむとしたら、オーブンやレンジで焼き物を作る陶芸キットが販売されています。これで作ると、陶芸趣味も満たせて楽しそうです。自分で紙粘土をこねて作っても面白そうです。

もちろん、豆盆栽に適した小鉢は、立派なものからリーズナブルな鉢まで、数多く市販されています。ユニークな形のものも数多くあります。

そう言えば鉢の底の穴には、子供の頃には小石を置いたものですが、いまは専用の鉢底ネットや排水口ネット等といったアイテムがあるのですね。

鉢植えの場合の作り方

次のような順序になるかと思います。

  1. 底穴から通したワイヤーで網を固定する。
  2. 土(赤玉土など)を少量入れる。
  3. 植物(苗木)を配置して土を入れて固定させる。
  4. 土に水を含ませる。
  5. 苔や化粧砂などを配置する。

少し凝って、こけ玉で作ってみるのも風情がありますね。

そういえば以前、京都の桂離宮や苔寺の庭園を訪れた際、一面に広がる苔の、わびさびがある美しさに感銘を受けました。

こけが敷き詰められた庭園

豆盆栽(ミニ盆栽)の作り方や植物の選び方、育て方などの詳細については、入門書的な書籍が出版されています。

また、まちの園芸ショップや植木屋さんでアドバイスしてもらっても良いかと思います。機会があれば、豆盆栽の展示会も見に行って見たいですね。

なお、盆栽をお好きな方は、想像以上に沢山いらっしゃるようで、ネット上においても多数紹介されており、 作り方や育て方の参考になります。

起源や由来について

日本人の精神や心、風流を表しているとされる盆栽の起源や由来は、ある説によると平安時代にまで遡るのだそうです。なんでも中国において唐の時代あった「盆景」という趣向が、日本に伝来したと言われているそうなのです。

横に枝が伸びる松

では、盆景とはなんでしょう?その字面から、何となく想像がつきますよね。

そうなんです。お盆などの上に、砂、石、苔、などの素材によって、自然の造形「山水」を模したもの・・・・です。

近いニュアンスとしては箱庭みたいなものでしょうか。また、お寺の庭の枯山水などとも相通じるのではないかと思います。

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